【掲載禁止 撮影現場】ミステリーエピソードとホラーエピソードのブレンド|読書の秋におススメ【長江俊和著】
この記事は小説「掲載禁止 撮影現場」の感想記事です。ネタバレは無しです。
目次
1.はじめに
1.1 小説「掲載禁止 撮影現場」とは
1.2 ストーリー概要
2.感想
2.1 例の支店
2.2 ルレの風に吹かれて
2.3 哲学的ゾンビの殺人
2.4 この閉塞感漂う世界で起きた
2.5 イップスの殺し屋
2.6 撮影現場
2.7 リヨンとリヲン
2.8 カガヤワタルの恋人
3.総評
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1.はじめに
1.1 小説「掲載禁止 撮影現場」とは
出典:https://amzn.to/3SR9yzz
長江監督による短編小説をまとめた作品が小説「掲載禁止 撮影現場」です。
別に「掲載禁止」という短編集が刊行されていますが、「掲載禁止 撮影現場」は別の著書です。
「掲載禁止」はシリーズ化されるのでしょうか?
長江作品は好きなので楽しみです。(別のシリーズでも読むのですけどね)
1.2 ストーリー概要
本作の収録作品の概要を確認しておきましょう。
あらすじ
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、
自分が犯人だと自首してきた男と、問い詰める側の間で進行する奇妙な議論
「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、
とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし
「カガヤワタルの恋人」。
その他「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「イップスの殺し屋」
「リヨンとリヲン」など、怖いのに読むのが止められない全八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。
(解説・真梨幸子)
引用元
https://amzn.to/3Qz1K2C
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、
自分が犯人だと自首してきた男と、問い詰める側の間で進行する奇妙な議論
「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、
とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし
「カガヤワタルの恋人」。
その他「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「イップスの殺し屋」
「リヨンとリヲン」など、怖いのに読むのが止められない全八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。
(解説・真梨幸子)
引用元
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2.感想
ネタバレにならないように感想をまとめて行きたいと思います。
2.1 例の支店
タイトルからして謎ですね。
どこの支店の話をしているのか、タイトルだけでは全然不明。
読み終わってみるとしっかりタイトルの意味は理解できました。
割と好きなお話です。
2.2 ルレの風に吹かれて
日本ではないどこかの国の居心地がすっかり良くなってしまった男性のお話。
男性はその国で結婚して子供まで作るのですが・・・
国や文化が変われば価値観も違ってくるわけで、それに気づいたときには色々手遅れというお話。
難しい話はないので、頭の中に入ってきやすくて好きなエピソードです。
2.3 哲学的ゾンビの殺人
哲学的ゾンビという存在自体知らなかったので、Google先生に尋ねてみました。
哲学的ゾンビ(てつがくてきゾンビ、英語: Philosophical zombie、略: p-zombie)とは、
心の哲学で使われる言葉である。 「物理的化学的電気的反応としては、普通の人間と全く同じであるが、
意識(クオリア)を全く持っていない人間」と定義されている。
本当に哲学的に定義された用語のようです。
実際にこのエピソードを読んでみた限り・・・意味は分からなかったです。
2.4 この閉塞感漂う世界で起きた
職を失い家族を失い、ホームレスになり下がった男が主人公。
この閉塞感を体現したような男は老夫婦が住むある家に強盗に押し入ってしまう・・・
面白いお話でした。
読者が見えないところでしっかり物語が進んでいるところが面白いエピソードです。
好きなお話です。
2.5 イップスの殺し屋
殺し屋が主人公のお話です。
主人公は殺していないはずが、ターゲットが何者かによって殺害されているという状況で
登場人物たちによる犯人捜しが始まるわけですが・・・
ガッツリとミステリーだと思います。
大好きです。
2.6 撮影現場
大物の監督がメガホンをとる大作映画に出演することになった売れない役者のお話。
映画の内容は監督の頭の中にしかないので、どんな風に物語が進むのか全く謎。
これも好きなお話です。
2.7 リヨンとリヲン
どこかの国の双子ばかりの村を舞台にした男性リヨンのお話です。
誰が一番ヤバい奴だったのか?という最後まで読んでそれが分かるエピソードになっています。
2.8 カガヤワタルの恋人
このエピソードはかなり好きな方です。
「カガヤワタルの恋人」って誰だよ?というのが本作のテーマであり最大の謎という
とても面白い話でした。
3.総評
小説「掲載禁止 撮影現場」の総評です。
★3.8です。
「出版禁止」シリーズのような作品を期待していたのですが、そのレベルでのビックリ展開は
なかったように思いました。ということで「出版禁止」シリーズが★4つとするならば、
そこには一歩及ばないくらいなので★3.8とさせていただきました。
短編集ということもあり、どのエピソードも面白いので興味のある方は手に取りやすいと思います。
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