【長江俊和著 出版禁止】秀逸な○○ドキュメント!|視覚の死角とは?!【感想】 | 少年よガジェットを抱け!! TO BE WRITER!

【長江俊和著 出版禁止】秀逸な○○ドキュメント!|視覚の死角とは?!【感想】


長江俊和著「出版禁止」の感想


初稿:2021.12.05
改稿:2021.12.05
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この記事は長江俊和著「出版禁止」の感想備忘録です。
ネタバレを含みます。



1.長江俊和著「出版禁止」とは




出典:https://amzn.to/3IuJQJF

この本は長江俊和先生著の「出版禁止」シリーズ1作目です。

ワタシは3作目、2作目ときて、この1作目を読了しました。
2作目、3作目は本の作り自体に仕掛けが施されているのに対して、1作目は本書に
収録されているルポの細部に謎解きのギミックが散りばめられています。

小さなギミックの積み重ねの結果、最後にひっくり返される造りです。
まずはあらすじを確認しておきましょう。

あらすじ
著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、
執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、
生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、
心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。
息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。

引用元
https://amzn.to/3IuJQJF


心中事件の真相を追いかける中で果たして若橋はどのようなルポを残したのか?
真相や如何に?!
といったところで早速感想にいってみたいと思います。


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2. 「出版禁止」の感想



ドキュメンタリー作家熊切と新道の心中事件。
心中の模様を一部始終収録していたビデオを確認すれば一目瞭然で心中としか思えない事件。

新道は大物政治家神湯が送り込んだ刺客だったのではないか?という観点で
若橋は関係者へのインタビューや調査で事件の真相に迫ります。
というのも熊切は政治家の腐敗を描いたドキュメンタリー作品を作り政治家である神湯と
真っ向から対立していたためです。

ところが神湯と熊切の関係が明らかになることで、若橋の推理が間違っていたことが判明。
推理の前提がひっくり返ります。

新道は刺客ではなかった?

読者のワタシも???になってしまいます。
心中事件だったのでは?と思ったのですが、そこから新道は刺客だったということが判明。

さらにその新道もある人物によって殺害されてしまいます。
この時点でさらにちゃぶ台がひっくり返りました。
新道は刺客は誰の刺客だったのか?

「カミユの刺客」とは誰が誰を殺すために送り込んだ人物で、誰を指すのか最後まで
ひっくり返り続けるという流れはかなりエキサイティングです。

一回読み終えただけでは頭の中は整理しきれないので、2回、3回読みたくなります。
ネット上での考察も盛んに行われていて人によっては黒幕の人物の解釈違ったりしていて
それもまたこの作品の魅力だと思います。



3. まとめ



長江俊和著「出版禁止」はフェイクドキュメントです。
ということで、ミステリー作品としてとても楽しめる作品となっています。

読者に推理をさせたくなるミステリー作品というのは良いものですね!
2作目、3作目と違った魅力がある作品。


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