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【日本通信SIM】ドコモとの音声卸協議に決着!|今度はMVNOの値下げ競争に拍車か?!【競争激化】


ahamo対抗プランの日本通信とドコモの協議に決着!|MVNOの行方!


初稿:2020.02.04
改稿:2020.02.04

ドコモの新料金プラン「ahamo」に対抗してMVNOとして先陣を切って格安プランを発表した日本通信。
この記事では今後のMVNO値引き競争について原価を踏まえつつ考察してみたいと思います。



1.日本通信とドコモの協議の経緯



日本通信
出典:https://www.nihontsushin.com/index.html

ドコモの新料金プラン「ahamo」に対抗すべく、MVNOの老舗である日本通信は、
「b-mobile」というブランドではなく日本通信SIMとして「合理的20GBプラン」を発表。

MNOから回線を借りて商いをしているMVNOである日本通信がドコモに真っ向から
挑んだプランに世間は驚きました。

このプランは音声卸料金について日本通信とドコモは合意に至る前に発表したものでした。
そして2020年12月30日に驚きのニュースが発表されます。

■2020年12月30日 総務大臣裁定に基づく音声卸料金に関する協議不調のお知らせ
https://www.j-com.co.jp/ir/pdf/press_201230.pdf


音声卸料金が合意を前提に寝られたビジネスプランでしたが、
ドコモと日本通信の間の協議不調となりました。

両社の間で料金について合意されなければ、日本通信の収益に大きな影響が出てしまい、
ひいては経営への影響が懸念されていました。

そして2021年2月2日、ついに両社の間で音声卸の料金に合意に至ったとの発表がありました。

■2021年2月2日 総務大臣裁定に基づく音声卸料金に関するドコモとの合意のお知らせ
https://www.j-com.co.jp/ir/pdf/press_210202a.pdf


この合意による日本通信への影響をITmediaさんの記事を引用して紹介したいと思います。

ニュース記事
今回の合意を受けて、ドコモは日本通信に対し、総務大臣の裁定日(2020年6月30日)にさかのぼって、
新たな料金で音声通話卸役務を提供することになる。これにより、日本通信では、2020年度第1~
第3四半期(2020年4月~12月)の原価が3億1800万円低減する見込みだ。

同社が2020年7月15日から提供している「合理的かけほプラン」は、音声通話卸役務の値下げを見越して
設定された料金プランだ。今後、低廉となった料金を生かした音声通話サービスのさらなる充実が期待できる。

引用元
■日本通信とドコモが「音声通話卸役務」の料金設定に合意 MVNOの音声通話サービスの充実につながるか
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2102/02/news109.html



3億円を越える原価低減はかなり大きいと思われます。
日本通信の身体を張った交渉は無駄ではありませんでしたね!

通信費負担の低減は管内閣の肝いりの方針です。
日本通信の交渉は絶妙なタイミングだったといえますし、消費者サイドとしてもありがたい限りです。



2.合意の背景について



武田総務大臣
出典:https://k-tai.watch.impress.co.jp/img/ktw/docs/1278/161/html/cont1.jpg.html

今回の日本通信とドコモの音声卸料金の合意の背景には武田総務大臣の「スタックテスト」発言が
あったのかもしれません。

スタックテストとは利用者と接続利用料の妥当性を検証する試験のことです。
詳細はケータイWatchさんの記事を参照ください。ワタシも具体的に何をするのか知りません(汗)

■第973回:スタックテストとは
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/1302382.html


いずれにしても総務省からの圧力で音声利用料金を値下げするよりも日本通信との協議の
中で音声卸の利用料金に合意した方が印象が良いと判断したのかもしれません。



3.MVNOの行方について



3.1 合意前の音声通話基本料について


ITmediaによる日本通信へのインタビュー記事を読むと今後のMVNOの値下げ競争が見えて来ます。

ニュース記事
福田氏 例えば5Gに置き換わると、総原価は大きく変わらず、キャパはグッと増えます。
総原価の増加が限りなく平らになるから、使い放題ができるということです。デジタルの世界は、
ある一定のキャパができれば、追加コストは少ない。だから、スケールメリットを追い求めて、
早くやったところが勝ちます。Amazonのクラウドもそうで、将来緩やかになるコストの増加を見越して、
最初は赤字でやっています。携帯電話に関しては、基地局こそアナログですが、産業としてはそれに近いと思います。

ただし、スマホ向けに関して言うと、先ほどお話ししたように、ボトルネックは音声通話の基本料です。
ベースの基本料だけで最低700円弱かかってしまう。ここが終わったら、本丸であるデータ通信の接続料の
算定をきちんとやることになるでしょう。

引用元
■ahamo対抗プランをいち早く打ち出した日本通信 なぜここまでの値下げが可能なのか?
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2101/29/news069.html



この700円というのは「音声+データ」SIMー「データ」SIMの差額だったりします。
2021年2月時点のbiglobeの料金を見ると一目瞭然です。
6GBの「音声通話SIM2150円」-「データ通信1450円」=700円となります。

biglobe料金プラン
出典:https://join.biglobe.ne.jp/mobile/plan/

3.2 日本通信SIM「合理的20GBプラン」の内訳


福田氏によると合意前でも980円で3GB+音声サービスも可能ということでした。
つまり以下のような内訳となります。


音声原価:700円弱
データ通信:3GB=約300円(1GB当たり100円弱×3GB)


ここで音声の原価が半値だったとすれば980円で6GB+音声サービスも可能ということになります。


音声原価:350円
データ通信原価:6GB=約600円(1GB当たり100円弱×3GB)



日本通信が提供する「合理的20GBプラン」(1980円/月)の内訳も推測してみましょう。


音声原価:350円
データ通信原価:80円弱(2021年4月以降)×20GB=1600円



合計1950円となり、「合理的20GBプラン」に近しい金額になります。
日本通信はこのプランに70分の無料通話時間を設けているため、音声原価はもう少し安い可能性も
ありえます。音声通話の1分当たりの料金ってどういう形で算出されているのかも気になります。


3.3 音声卸の低廉化によるMVNOの未来


日本通信は「合理的カケホプラン」を提供していますが、今回のドコモと日本通信の音声卸価格の
改定によりMVNOは日本通信同様にバリエーションのある料金プランを提供する事ができそうです。

具体的にはMVNOは音声料金の原価低減分を月額のデータ利用容量に回すプランや帯域の安定化、
通話定額時間を延長したプランなどが期待できそう。



4.まとめ



今回の合意は日本通信とドコモの間の協議でしたが、KDDIやソフトバンクの音声卸価格へ影響すると
想定されます。
通信卸のコスト低減ができればMNOはこれまで出せなかったようなバラエティ豊かなサービスプランを
提供できるようになります。

ドコモの「ahamo」やAUの「povo」はMVNO潰しなどと言われてきましたが、日本通信をはじめにMVNOに
引き続き期待してよいのではないかと思っています。

まとめると以下のとおりです。

日本通信GJ!!
武田総務大臣GJ!!

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